ラズベリーパイとLCD-USB7XW/BとLCD-USB10XB-T (前編)

LCD-USB7XW/BとLCD-USB10XB-T

かつて、アイ・オー・データ(I-O Data)社から発売されていたUSB接続の小型液晶モニター、「LCD-USB7XW/B」と「LCD-USB10XB-T」。 どちらも当時はWindowsとMacOS対応として発売された商品で、WindowsだとWindows 7用のドライバーが現在でもアイ・オー・データのサイトからダウンロード可能になっています。


参考までにLCD-USB7XW/BとLCD-USB10XB-Tの仕様です:

LCD-USB7XW/B (7インチ、800x480) 発売、 生産終了
USB2.0、USBバスパワー、型番の最後のアルファベットはボディの色で「LCD-USB7XW」は白色、「LCD-USB7XB」は黒色

LCD-USB10XB-T (10.1インチ、1024x600) 発売、 生産終了
USB2.0、タッチパネル機能搭載、5V 1.0A ACアダプター付き


ドライバー自動インストール機能付きのUSBモニター

また、当時のWindowsで使う場合に限られますが、どちらの液晶モニターも、まだドライバーをインストールしていない状態のコンピュータに繋げた場合でも、モニターからWindows用のドライバーが勝手に自動インストールされてその後モニターとして使えるという仕組みになっていました。

これは、どちらの液晶モニターも、一つのUSB機器に複数の機器の機能が組み込まれた複合デバイス (Composit Device) になっていて、繋げた時はUSBのモニターではなくUSBのCD-ROMドライブとして機能する様になっているそうです。 もしもWindows用のドライバーがインストールされていなければCD-ROMからドライバーが勝手に自動インストールされて、その次に、読み込まれたドライバーがUSBモニターとして機能する様に切り替えて、それで液晶モニターとして使えるそうです。

因みに、LCD-USB7XWに関しては、確かWindows XP時代だったと思いますが、購入後にリリースされた新しいバージョンのドライバーをインストールしても、モニターの中のドライバーはアップデートされないらしく、繋げるごとに古いバージョンのドライバーをインストールするかどうか聞いてきた覚えがあります。

アイ・オー・データのサポートはWindows 7までで終了してしまったのですが、その後は、使われているビデオチップの製造元のDisplayLink社からのドライバーをインストールすればWindows 8や10で使う事が出来ました。


Windows 10のAnniversary Update (1607)以降でサポート外に

それでも、残念ながら後期にリリースされたWindows 10のAnniversary Update (バージョン 1607)以降は、どちらのモニターもWindows 10ではサポート外となってしまいました。

DisplayLink社のサポートデータベースの記事にサポート外になった理由が説明されていますが、冒頭で、同社は2009年くらいまでCD-ROMドライブとして認識されドライバーを自動インストールするタイプのUSB接続のモニター用のビデオチップ (Displaylink Device with Auto Install) を販売していたと書かれているのですが、古い製品というアピールでしょうか?😅😅。

Windows 10のバージョン 1607以前は、DisplayLink社独自のUSBドライバがCD-ROMドライブからモニタとして機能へ切り替えをしていたらしいのですが、バージョン 1607以降はマイクロソフト社のUSBドライバが使われる仕様になってデバイスの切り替えがサポートされなくなってしまったみたいです。

つまり、最近のWindows 10だと、繋げても、モニターの機能に切り替わらず、昔のWindowsのドライバのインストーラーが書き込まれたCD-ROMドライブとして繋がったままになっているみたいです。 (といっても、デバイスマネージャーにも表示されませんが。。。)

※ あくまでも、サポート外なのは自動インストール付きのDisplayLinkのビデオチップ製品なので、I-O DataのUSB-RGB/D2などの自動インストールの機能がないDisplayLinkのビデオチップ搭載の製品は最近のWindows 10でも問題なく使えます。


Linuxでならまだ使える?

もう3年以上も前になるバージョン1607へのアップデート以降、Windows 10で使えなくなってしまった「LCD-USB7XW/B」と「LCD-USB10XB-T」ですが、Linuxカーネルだと『udlfb』というカーネルドライバーがUSB 2.0のDisplayLinkのディスプレイチップをサポートしているという事なので後編では最近いじり始めた手持ちのラズベリーパイに繋げてみたいと思います。


関連記事



コメント