PITATTマスクを印刷してみた

マスク着用の義務化 in メルボルン

Covid-19パンデミックの第2波の影響でから最低でも6週間のシャットダウンで不要不急の外出が禁止されているメルボルンですが、新規の感染者数が減少せず一定して増加中なのが理由だと思いますが、本日 外出中や仕事場でのマスクの着用が義務化される事になりました (一部例外有)。

日本と違ってこれまでは、1.5メートルのソーシャルディスタンシングの徹底を優先して来たオーストラリア、症状がなければマスクの着用はオプションとしていましたが、ここに来てメルボルンでは一転してマスクの着用が必須となりました。 といっても、マスクをしているから1.5メートルのソーシャルディスタンシングを守らなくでも良いという事ではなく、ソーシャルディスタンシングを守ってのマスク着用が前提になります。

家に使い捨てマスクが数枚、手持ちでありますが、限られた数なので、手洗い可能なマスクをチクチク縫うという選択もありましたが、あえて3Dプリンターでマスクを印刷してみました。


PITATTマスク (レギュラーサイズ)

日本のネットニュースでも話題に上がっていましたが、日本のいろいろな各団体/個人が家庭用3Dプリンターで印刷できるマスクのデザインをフリーで公開しているので (流石マスク着用先進国(?)😄)、今回は日本の大学院生の二人(360 Rootech)がデザインしたというPITATTマスクのレギュラーサイズ (v2) を印刷してみました。

アウター(外側)とインナー(内側)のパーツを印刷して、間に布、ガーゼやティッシュを挟んんで使うマスクです。 デザイン的には耳掛け紐を取り付ける部分が「V字ロック機構」になっていて、取り付けが簡単なのが魅力だと思います。

医療従事者向けのマスクではありませんが、正しく使えば、ウイルスを含む飛沫の口や鼻への吸引を妨げるのに十分効果がある(はずの)一般向けマスクになります。


STLモデル

アウターとインナーいずれも360 RootechのグーグルドライブからSTLモデルとしてダウンロードできます。 3Dモデルを3Dプリンター用の印刷コマンドに処理するアプリ「Slic3er」で表示すると次の様な感じになります。

レギュラーサイズ PITATTマスク アウター
レギュラーサイズ PITATTマスク: アウター

レギュラーサイズ PITATTマスク インナー (サポート付き)
レギュラーサイズ PITATTマスク: インナー (サポート付き)

360 RootechのサイトにリンクのあるFAQのビデオを観ると、ABSやPLAなどの素材で出力しているみたいですが、手元にHobbyKingフレキシブル (Flexible)という柔らかい素材のØ1.75mmのフィラメント (現在は不取り扱い?) が手元にあったのでこのフィラメントを使って印刷してみました。

ダウンロード出来るSTLモデルには既にサポートが付け加えられているので、印刷前のスライス処理でサポートを付け加える必要が無いと説明されていましたが、ホットベットからの剥がれ落ちが心配だったので3mmのブリム(Brim)をSlic3r処理時に追加して印刷しました。 ブリムはホットベットとの接触層(ファーストレイヤ)に追加されますが、ベットとの接触面積が大きくなるので印刷中に出力物がベットから剥がれにくくなります。

ブリムを加えたアウター
ブリム(緑色の部分)を加えたアウター

印刷してみた

アウター外側
アウター外側
アウター内側
アウター内側

ホットエンドの温度設定が的確でないのか、物凄く糸を引いています。。
たぶん、押出幅 (Extrusion width) の再確認も必要かと。。

インナー
インナー
インナー
インナー

積層ピッチ0.2mmでアウターは3時間半、インナーは2時間半ほどで印刷出来ました。

印刷後、ナイフでブリムとバリを取り除いて、使い捨てマスクの紐をV字ロックに取り付けて完成です。 実際にマスクとして使うのには、布やガーゼをアウターとインナーの間に挟み込む必要があります。


出力結果

出力結果
出力結果

見た目はマスクになっていますが、今回はフレキシブルという柔らかい素材で印刷したのと、あまり印刷テストをしていなかった素材だったのでプリンターの設定が甘いのか、印刷の最後の方ではヘッドが印刷物に干渉して印刷の位置がズレてしまうという不都合もありました。 ヘッドが干渉する位置に移動する時に、出力を指で押さえてズレをどうにか修正する事が出来ましたが、その部分の仕上がりの見た目はイマイチになってしましました😑。


実際に装着してみた処、鼻の左右に隙間が開いてしまいました。 FAQのビデオを確認すると、「隙間ができた時の処理の仕方 (~2:33)」でPLAで出力した場合はドライヤーなどで50~60℃位に温めると柔らかくなるので顔にフィットする様に形を調節出来る(火傷に注意)と説明がありました。。。 ABSの場合はスルーされていましたが、ヒートガンなどでもっと高い温度にしてフィットし易い形に修正するという事なのでしょうね (?)

今回はPLAではなくHobbyKingのフレキシブルという素材を使いましたが、印刷温度 (~220℃) がPLAとほぼ同じなので無事度ドライヤーの熱風で修正する事ができました。


おわりに

FAQのビデオではABSやPLAという素材で出力したとあるので、同じ3DモデルをPLAで印刷してフレキシブル素材の物と比べてみようと思いましたが、そのタイミングでホットエンドのヒーターがお亡くなりに。。。 新しいヒーターをeBayで注文しましたが、配達は来週になるという事なので、ヒーターを取り換えた後、PLAでPITATTマスクの印刷に再度挑戦してみたいと思います。



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