届かない3Dプリンターのホットエンド用ヒーター
ネット購入したRepRapのPrusa i3の中華系クローンの3Dプリンターのキットを組み立てて、既に数年間、家で使っています。 でも、数か月前から印刷中に、出力のプラスチックを溶かす部分のホットエンドで「Thermal Runaway (熱暴走)」というエラーが出て印刷が途中で止まってしまう事が時々起きる様になっていました。
熱暴走エラー
手持ちの3Dプリンターのファームウェアを確認した処、「Thermal Runaway (熱暴走)」のエラーはヒーターが設定した温度に、設定時間以内に達しなかった場合に出る様になっていました。 状況によってはヒーターは高温になっていても温度センサの不良によって実際とは違う温度が計測されて設定温度に達しないという危険な状態も当てはまるので、安全面上、プリンターがシャットダウンする仕様になっているみたいです。 このエラーが印刷中に出て印刷が止まってしまうと、エラーが出た位置から印刷再開という事も簡単には出来ないので、印刷途中の不良品が後に残るというなんとも勿体ない結果になってしまいます。
断線したホットエンドヒーター |
あいにく手持ちの3Dプリンターには、市販の紙に印刷する2Dプリンターの様にどこがどう悪いという診断をする能力はないので、3Dプリンターの各部分を確認して異常を発見する必要があります。 いろいろと目視で確認していましたが、これと言った異常は発見できず、時間が経つとプリンターはまた正常に動いたので短い時間の出力なら問題が無いという状態で使っていました。 最終的にはホットエンドのヒーターが発熱しなくなったので、ヒーターをプリンターから外してみたところ、リード線がヒーター近くで断線していました。
これまでの不都合がヒーターが原因であったという可能性が大きい気がしますが、ヒーター以外に同時に他の不都合が発生している可能性や、ヒーター以外の何かしらの原因が理由でヒーターが破損したという可能性も考えられるので、ヒーターが直接の原因だったかは断定出来ません。 でも、ヒーターを交換した後にエラーが出なくなった場合は、ヒーターが原因だったと言えなくもないので、まずはヒーターを新品に交換する事にしました。
ホットエンドヒーター交換
Prusa i3 プリンターはJosef Prusa氏が主導で開発したオープンソースのプリンターの一つで、現時点でも同氏が設立したPrusa リサーチが現行版の完成品とキットの販売をしています。 でも、オープンソースなので、デザインが一般公開されていて、誰もがデザインをそのままでも、手を加えてでも使う事が可能です。 なので、過去に幾つかの会社がデザインに手を加えてPrusa i3のクローンを販売していた時期がありました。
手元にある3Dプリンターも、過去に香港の会社が生産していたPrusa i3のクローンですが、説明書も付いてこなかったキットだったので、交換のパーツを見つけるのにも注意が必要で、オリジナルのPrusa i3の情報を参考に、ノギスを片手に外したヒータの寸法を確認しながらの注文になりました。
外したホットエンドヒーターは、直径6ミリ、長さ20ミリの筒型で、ネット通販だとこの型の3Dプリンター用のヒーターは30W/40W/50Wの出力のヒーターが出回っていました。 プリンターから外したヒーターにはどの出力なのかが分かる様な印刷や刻印は確認できず、迷いましたが、オリジナルのPrusa i3のスペックを確認したところ、12V仕様のプリンターには40Wのヒーターが使われていたので同じ出力のものをネット注文する事にしました。
以降、$1 = 1オーストラリアドル ≃ 77円のレートで計算しています。
ホットエンドのヒーターをネット注文
オーストラリアでは電化・電子パーツの類はほぼ海外から輸入しているので、一般的に大陸から低価格でネット注文出来る商品でも、オーストラリア国内での同等の商品を購入しようとすると値段はほぼ2~3倍に吊り上がります。
でも、海外からの送料無料 (普通国際郵便)だと、配達までに平気で2~3ヶ月の期間がかかるので、今回はオーストラリア国内の出品者から注文する事にしました。 パンデミック以前の通常時だと違う州からの普通郵便でも国内なら平日で3~4日もあれば郵便物は届いていました。
ここからヒーター注文の戦いが始まりましたw。
1. 国内 (ヒーター2個)
まずは7月中旬、NSW州の出品者からのヒーターを注文。 1個$4.50 (約346円)で、普通郵便の送料が$1.50 (約115円)。 予備も考えて2個注文して、総額$11.50 (約885円)でした。
現在、メルボルンに住んでいますが、コロナ禍の影響で、メルボルンにはこの時点で既にステージ3の外出禁止令が出ていて、物流も少し制限されていました。 なので、注文時に、配達には7~9日ほどかかるという表示も出ていましたが、1週間位なら待っても問題ないと思い決済に進みました。
しかし、1週間経っても商品は届かず。。 そこで、2週間経った時点で、出品者宛てに「まだ商品が届いていないのですが、まだ配達途中でしょうか?」といった質問を送りましたが、返信はありませんでした。。
その後、メルボルンは新規感染者増加でからステージ4の外出禁止令に移行して、5PM~8AMの夜間外出禁止令も出て、街がロックダウンされたため、物流がもっと制限されてしまいました。 でも、注文から3週間以上も過ぎた時点で、仕方なく通販サイトの運営に「商品が送られてこない」というクレームを出しました。 運営側の返事としたは、クレームを出した日から1週間以内に出品者から反応がない場合は運営側が対処するという事でした。 そして、1週間以上経っても出品者から返信はないまま、全額が払い戻されました。
結局、ヒーターは届きませんでした。。(未だに届いていません)
2. 大陸から (ヒーター5個)
運営側にクレームを送った2日後に、$10 (約770円)のクーポン(10日間の使用期限付き)が運営側から送られてきました。 この時勢で見舞金みたいなものでしょうか? (ありがとうございます🙇🙇) この時点では、まだNSW州から注文したヒーターがどうなるか判らなかったので予備として格安のヒーターを海外から注文しておこうと思い、香港から格安ヒーターを注文する事にしました。
5個セットで$11.44+税10%の送料無料、計約969円でしたが、$10のクーポンを使って合計が日本円で約199円。 (もしも無事に届けば、1個あたり約40円の計算になりますw) でも、海外からの普通国際郵便なので時間がかかります。。 通販サイトのアプリでによると、現在の処、配達予定日は注文した日の10週間と2日後となっています😇😇。
まだ、配達日はまだまだ先です。
3. 国内テイク2 (ヒーター2個)
NSW州から注文したヒーターは4週間と数日後に払い戻しされましたが、手元には未だに替えのヒーターがないので、気を取り直して違うオーストラリア国内の出品者にヒーターを再注文しました。
普通郵便で自宅宛てに送ってもらうと家の郵便受けに投函になるので、書留にでもしないと配達時の証明が残らないので、「郵便物が届かない」という場合、出品者に「もう少し待ってください」と一点張りされる場合があります。 今回は「クリック&コレクト (Click & Collect)」で注文しました。 この場合、商品は自宅ではなく、指定の店舗や宅配ボックスに配達されてそこから商品を受け取る仕組みになので、商品の受け取りまでがトラッキングされて記録に残ります。 なので、出品者の「商品は送った(はず)」の言い逃れは使えないはずです。
2個で$9.40+送料3.00の計$12.40 (約955円)。 注文時に配達日は2週間後となっていましたが、注文してからの対応がゆっくりの様で、通販サイトのアプリで確認した処、まだ準備中で、送信されたという表示にはなっていません。。😕
2週間後の配達。。届くかも既に不安。。
果たしてホットエンドヒーターは何時届くのでしょうか?。。。
追記: 届いた国内テイク2のヒーター2個
改めてオーストラリア国内から注文したヒーター2個ですが、通販サイトのアプリには2週間後に配達の通知が来ると出ていましたが、注文から12日目で「お店からピックアップ出来ます」とのメッセージが届きました。
翌日、お店に取りに行ってスムーズに受け取り。
家で封筒を開封して中を確認したところ、ヒーターの金属部分が長く見えたので定規で測ってみると、22ミリ。。 直径6ミリ、長さ20ミリのヒータを注文したはずだったので長さ22ミリはちょっと。。
22mmの長さの20mmヒーター (上) |
送られて来たヒーター(上)は壊れたヒーター(下)と比べてみても長いです。。
大陸からの商品だと、商品説明に時々、「±2cmの誤差」があるという注意書きがあったりする場合もあるので、もしやと思い、注文したヒーターのスペックを確認したところ。。
直径6mm 長さ23mmと。。
注文したヒーターのスペック |
商品名の一部には「40W 20MM」と書いてありましたが、スペック上では23ミリという落とし穴。。 しかも実際は22ミリしかない。。 (詐欺ですか?)
ホットエンドのブロックの幅が20ミリなのでヒーターが2ミリ出っ張ってしまいますが、払い戻しなどを交渉していると3Dプリンターが使えないまま時間が経ってしまいそうなので、試しにこの2ミリ長いヒーターが問題なく使えるか試してみたいかと思います。。😇😇
普通に電子パーツで長さが20mmなり23mmなりと書いてある物を注文した場合に長さ22mmの物が届いた場合は不良品扱いになると思うのですが、その様な物でも平気に出店されている事例があるというのはこういったネット通販での落とし穴なのでしょうね。。
追記
22mmのヒーターをホットエンドに取り付けてみました👇。
やっぱり長いです。 ヒーターがアルミブロックからはみ出ます。。
一応、画像の右側にあたるヒーターの先端部がブロックからはみ出ない様に調節して使ってみます。
追々記
1個約477円のアルミブロックからはみ出る22mmのヒーターですが、合計10時間程度の印刷をした時点で天国に召されました。。。😇😇
大陸からの5個セットのヒーター(1個約40円)が届いていたので現在はこのヒーターの一つに取り換えて使っています。 コストがはみ出るヒーターの1/10にも拘らず、長さは20.0±0.5mmでアルミブロックからはみ出る事もなく、問題無く使えています。。 合計の印刷時間が現時点ではまだ15時間ほどなのでまだ結論的な事は何も言えませんが、現時点で高いコスパは出ています。
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