30mm長のガラス管フューズと3AGフューズの落とし穴 (?)

現在住んでいる場所ではこのコロナ禍で長い間非常事態宣言が出ていますが、日本とは法律が違う国なので、地域感染の流行の頻度によって、5種類の目的以外では家から外出禁止という規制が発令されて、現時点では、外出は自宅から15km以内という制限があって、午後9時から午前5夜間の夜間外出禁止令も出ています。

外出規制が出ていなった時期の話ですが、知り合いの作業場で制作中の電子回路をテストしていた時、使っていた知り合いのDC電源のフューズが突然飛びました

切れたフューズ

「パン!!」という音がして突然電源が落ちて、「フューズを交換すれば直るかもしれない」と言った結果、知り合いは「フューズを変えて来てくれないか」と頼まれる事に。。


注意: フューズの交換は自己責任でどうぞ


フューズの交換

フューズの交換と言っても、フューズには種類があるので、大きさや形もそうですが、電流・電圧の容量適性温度、フューズが飛ぶ反応速度も速い/遅いといった違いもあるので同じ規格のフューズと交換する必要があります。

何か異常があった時に切断して回路を守るのがフューズの役目なので、規格が違うフューズと交換してしまうと負荷が無い状態でもフューズが簡単に飛んでしまったり、必要な時にフューズが断線せずに回路が破壊したりという事もあります。 なので、必ず同じ規格のフューズと交換しましょう

因みに…、上記の知り合いは、フューズを銅線と交換する様な事を平気で言い出す人なのですが😇😇、絶対に真似をしない様に。。


注意: フューズの交換は自己責任で


替えのフューズ

そもそも、一般消費者向けで使われている取り換え可能なフューズにはクサビ型(ブレード)や筒型などがあって、物理的な大きさ、電気的な規格の違いがある上に、まずフューズ1個だけを低価格で売っているお店もあまりないので、予備として持っているとかなりの量になってしまいます。。。 (車用のフューズだとガソリンスタンドでも買えたりしますが、場所によってはフューズ1個に数百円の値段がついている所もあったり。。。)

昔は良く、車・バイクなのどのメンテナンスでよくフューズを交換する機会が良くあったので、いろいろな種類のフューズが入った専用の箱が手持ちであったのですが、最近は何故かフューズが飛ぶ様な事も無かったので手持ちのフューズの箱がどこにあるのか見つからず 、仕方がなく、近くの電化パーツを扱っているお店に買い出しに行く事にしました。


電化パーツ店

日本でも最近は街の電子パーツ屋さん的なお店の数が減っていると思いますが、人口密度が日本よりも確実に低いオーストラリアの場合、まず個人経営の街の電子パーツ屋さんの存在を聞いた事がありません。。

通販であれば、オーストラリア国内でも『RSコンポーネンツ』や『Element14』などという日本にもあるサービスがあって、商品の品揃えも割と充実していますが、どちらも営業所がシドニーにしか無いので、シドニーが遠い場合は郵送になってしまって、例えフューズ1個の購入でも、送料として千数百円ほどが上乗せになります。

そこで、今回はオーストラリアとニュージーランドで展開する『Jaycar』というチェーンの小売り店に行ってみました。

オーストラリアの都市部であれば、支店が多く点在していますが、一般向けの小売り点になるので値段は割高になります。 又、このお店の経営会社は『Electus』という法人向けの通販もしているみたいですが、小売店の値段よりは少し安い設定ですが最低でも合計$100の注文しか受け付けていなかったりと使用頻度が限定されます。

[注] メルボルンだと、『Altronics』とか『Radio Parts』といったお店が、舗数は少ないのでアクセスが悪いのですが、Jaycarよりは扱っている商品の幅が少し広いのと、値段も安めで売っていたりします。


Jaycarの30mm長フューズ (?)

飛んだ(ガラス管)フューズをDC電源から取り出して、ノギスで測ると直径6mm、全長3cmだったので、『Jaycar』の支店で

「サイズが直径6mm、長さ3cmのFast Blowの3Aフューズが必要」と伝えると

「これで良いか?」

とフューズ10個入りの紙の箱を出して来たのでそのボックスを買って家に帰りました。


でも、家に帰って手に入れたフューズを電源のフューズホルダーに取り付けてみようとしたら、長過ぎではめる事が出来ませんでした…

「3AGフューズ」と箱に書いてあったので、お店のカタログをインターネットで確認すると、3Aの3AGフューズのページには商品説明として『6.35mm x 30mm』と書いてありますが、下のスペックの方に『6.35 x 32mm』とあってなんとも良く分からない表示になっていました。

3A 3AG Quick Blow Fuse

他に同様なフューズをカタログで検索してみましたが、同じ規格のフューズはリストされていませんでした。 どうも、このお店では32mm長のフューズ(3AG)を扱っていて、30mm長のフューズは扱っていないみたいです。

実際の商品のスペックとは関係なく、カタログのページ内に『30mm』という表記を含ませる事で、30mm長のフューズを探している人の検索結果に含まれる様にして誘導する仕掛けですかね?


ホルダーにはまらず、仕方がないので、返品をしてもらおうと、数日後にレシートを持ってJaycarの支店に戻りましたが、購入時とは別の店員さんが対応したのですが、「3AGってのは世界のどこに行っても32mmなんだ」とブチ切れされました。

別に「3AGのフューズ」を指定して購入して訳でもなく、「30mm長のフューズ」が必要という要望に対してお店が出して来たフューズを買っただけで

「規格がどうのこうのでもなく、使えない機械を修理したいだけなので」

と説明しても理解してもらえず。。。

コロナ禍というのが影響しているのかは判りませんが、「3AG規格が...」、「3AG規格が...」と声を張り上げて突っかかってきて、日頃のストレスを前に出してもう商売なんかしたくないといった感じの対応になっていました。

最終的には「返品なので不良かどうかを1個1個確認しないといけない。 はぁーーー、面倒だ。」とフューズを箱から出して「あーー、面倒だ。」を繰り返しながらフューズ1個、1個をマルチメーターで確認し始めました。。。

この考えだと新しく買ったフューズがもしも不良品であった場合、お店に持って来ても交換しくれないという事になると思うのですが、どうなんでしょう。。

長い事オーストラリアに住んでいますが、お店の対応として、こういった子供みたいな対応をオーストラリアでされた事が無かったので、とても意外な経験でした。

しかし、「返品には応じない」とは店内やレシートのどこにも表記もされていないので自分ルールを言い張っている感もありました。 対応した人が悪かったのではとは思いたいのですが、他の店員も介入してこなかったので、もしかしたらこの支店の暗黙のルールとなっていたのかもしれません。

以前、抵抗を買った後、実際に中に入っていた抵抗の値がパッケージにあった数値とは違っていて、交換をしてもらおうとお店に戻った時、「そんな事言われても知らない」と返って来たお店でもあるので、何か経営体質に問題があるのではと思う様なお店でもありますが。。

結果的にはお店は使えない32mm長のフューズの返品に応じて、フューズの分の代金は返金されましたが、物凄くモヤモヤが残る一件でした。

これだと、もう、このお店ではパーツは買えませんね。。。


eBayの3mm長フューズ (?)

eBayとか見ているとしっかり「±2cm」の誤差などと書いてあったりするのでそういった場合は返品を拒否される場合は把握していましたが、実際の店舗があるお店で、しかもそのお店で扱っている商品のフューズを交換する時点でサイズが合わないというのはどういう。。

結局、eBayで探したところ20個で$4.45 (送料込で約355円)というのがあったのでポチっと

30mm±1%長のフューズ

30mm±1%の長さです

2か月半後に到着。。届くまで時間はかかりましたが、フューズホルダーには無事にはまりました。

フューズホルダー
フューズ装着後

因みに、『Jaycar』での一件があったので、届いたフューズを一つ一つを確認したところ、なんと、20本中1本が既に断線していました。

ネット注文のフューズ20個

セコイ話ですが、20本中の1本だと5%が不良だったという事になるので、全額の5% (約17円)の払い戻しを販売元にダメ元でメッセージした処、何故か販売元が全額を払い戻ししてきたので、最終的には出費ゼロという結果になってしまいました。。。😮❔


因みに、購入するなら32mm長の3AG規格のフューズではなく30mmのフューズの方が幅広く使えて良い様な気がしますがどうなんでしょう?



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